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 福岡市中央区天神の繁華街で19日、外国人排斥を訴えるデモがあった。これに抗議する人たちも集まり、互いに怒鳴り合う場面もあった。ヘイトスピーチ対策法が今月施行されて以降、同市中心部でこうしたデモが実施されたのは初めて。

 デモは「行動する保守運動 九州」が主催。在日コリアンへの差別的な発言やデモを繰り返してきた「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠前会長らも参加し、日の丸やプラカードを掲げて「不逞鮮人(ふていせんじん)が犯罪を起こす」「殺人集団を許さない」などと叫びながら、天神周辺の道路を約1時間練り歩いた。

 一方、これに抗議する人たちも集まり、警備に当たる警察官を挟んで「ヘイトスピーチをやめろ」「ヘイトスピーチは違法だ」などと歩道から訴えた。こうしたデモをめぐっては、外国出身者やその子孫への不当な差別的言動の解消をめざし、ヘイトスピーチ対策法が今月3日に施行された。抗議に参加した在日コリアンの男性(52)は「今回は(デモ隊が)直接的な差別表現を抑えていた。法の効果が表れている」と話した。

 同法の成立後、川崎市では、排外主義的な団体に対し、市が公園の使用を不許可としたり、横浜地裁川崎支部が一定範囲内のデモ禁止の仮処分決定を出したりしたことなどから、デモが中止された例がある。また、愛知県の大村秀章知事は、ヘイトスピーチを繰り返す団体に対し、県が管理する施設での集会を許可しない方針を示している。(鈴木峻、宮谷由枝)