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 原子力規制委員会は20日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、60年までの運転延長を認可した。東京電力福島第一原発事故の後、原発の運転期間を原則40年とする制度ができてから初めて。運転延長の審査の「ひな型」ができたことになり、「例外」とされてきた運転延長が他原発でも相次ぐ可能性が高い。

 規制委は高浜1、2号機について、劣化しつつある一部の配管や電気ケーブルの補強や交換を条件にした上で、60年の時点でも安全機能が維持できると判断。1号機は2034年11月、2号機は35年11月までの運転を全会一致で認めた。ただ、関電はケーブルの交換など安全対策工事に3年以上かかるとみており、再稼働は早くても19年秋以降になる見通しだ。

 今の制度では、原発の運転期間は規制委が認めれば1度だけ最長20年延長できる。1、2号機の場合、経過措置で猶予された7月7日の期限までに三つの許認可を受ける必要があった。

 関電は15年3月に新基準に基づく審査を、翌月に延長認可を申請。規制委は、期限までに許認可がそろわず「時間切れ」で廃炉を迫られる事態を避けるため、他の原発を後回しにする形で審査し、今年4月に新規制基準に基づく許可を出した。重要設備を実際に揺らして耐震性を確かめる試験を先送りして、今月10日に工事計画を認可した。

 福島の事故後、電力各社は40年前後の老朽原発6基の廃炉を決めたが、35年以上の原発は高浜以外に5基ある。関電は美浜原発3号機(福井県)についても延長を申請しているが、主な審査は終わり、期限の11月末までに認可される可能性が高まっている。(北林晃治)