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 バングラデシュの首都ダッカで1日午後9時(日本時間2日午前0時)ごろ、レストランに武装した男らが侵入し、日本人を含む客ら30人余を人質に立てこもった事件で、菅義偉官房長官は2日夜、日本人7人が死亡したと発表した。日本人1人は救出された。バングラデシュ治安当局によると、20人が死亡し、多くは外国人だという。

 菅官房長官によると、日本人で犠牲となったのは、男性5人、女性2人。いずれも国際協力機構(JICA)のプロジェクトに関わっていたという。在バングラデシュの大使館関係者が、写真や所持品などから身元を確認した。菅氏は「痛恨の極みで、残念至極だ。政府として、なし得る限りの支援をしたい」と語り、3日に遺族や関係者を乗せ、政府専用機を現地に飛ばす考えを示した。

 菅氏は、犠牲者の氏名や亡くなった時の状況については「家族の了解をいただいていないので、コメントは控えたい」と説明を避けた。バングラデシュ政府の対応については「最善の対応をお願いしていた。残念な結果に終わった」とだけ述べた。岸田文雄外相は2日夜、「国連安全保障理事会でも本件を取り上げ、強い非難のメッセージを発しなければならない」と記者団に語った。

 亡くなったうちの1人は、家族によると、建設コンサルタント会社「アルメックVPI」(東京都新宿区)社員の岡村誠さん(32)。外務省から連絡があったという。救出された1人は、同社の40代の男性、渡辺玉興(たまおき)さん。同社が明らかにした。

 JICAによると、日本人8人は、いずれもコンサルタント会社の関係者で、交通インフラ事業に携わっていた。コンサル会社は「アルメックVPI」のほか、「オリエンタルコンサルタンツグローバル」(同渋谷区)、「片平エンジニアリング・インターナショナル」(同中央区)など。

 一方、日本政府は2日、木原誠二・外務副大臣と、外務省の職員らでつくる「海外緊急展開チーム」(ERT)を現地に派遣した。日本政府は同日未明、現地の大使館に緊急対策本部を立ち上げ、同日午前には、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開いて対応を協議。安倍晋三首相は同日予定していた参院選の北海道遊説を中止した。

 首相は同日夜、「バングラデシュの発展のために尽力した皆さんであり、痛恨の極みだ」と記者団に語った。これに先立つ同日午後、バングラデシュのハシナ首相と電話で会談し「貴国への連帯を表明し、国際社会と連携し、最大限支援する」などと語った。