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 JR北海道は29日、単独での維持が難しい路線を今秋に公表し、沿線自治体などと存廃を含めた協議を始めると発表した。厳しい経営状況を踏まえ、運賃引き上げや自治体によるインフラの維持管理など地元負担の可否とともに議論していく考え。道内路線網の姿が大幅に変わるきっかけとなる可能性がある。

 「このままでは資金繰りの破綻(はたん)は避けられない。持続可能な交通体系のあり方について、早急にご相談を開始させていただきたい」。29日の会見で、島田修社長はこう繰り返した。

 JR北によると、秋までに単独で維持できる線区と利用者が少なく維持が難しい線区をまとめて示す。

 「難しい」とする沿線の自治体とは協議会を設け、鉄道を廃止してバスに転換するかどうかなどを議論。維持する場合でも、運賃値上げや、老朽化した設備の修繕費を誰が負担するか、線路などのインフラを自治体が保有し、列車はJRが運行する「上下分離」方式を導入するかなどについて話し合いを進めるとした。

 協議対象の路線・線区については、設備の老朽化の程度などを踏まえて絞り込みを進めるという。

 JR北は路線網の「縮小」を見据え、あり方を自治体と折衝する「地域交通改革部」を今年度に新設。札沼線の沿線自治体を担当者が訪れ、今年度中にも協議会を立ち上げたい考えを伝えている。輸送密度の極端に低い線区としては、札沼線(北海道医療大学―新十津川)や石勝線(新夕張―夕張)、根室線(富良野―新得)などが挙げられる。

 JR北は札幌圏も含め全線区で赤字だ。国鉄民営化後の30年間に道内の高速道路が6・5倍に伸びて利用者が減る一方、国から渡された「経営安定基金」の運用益も右肩下がりだ。

 留萌線留萌―増毛間の廃止を決めるなど、合理化に一歩踏み出したが、今年度の営業損益も過去最大の400億円の赤字を予想。北海道新幹線も当面は年間数十億円の赤字で、経営改善の道筋が見えず、鉄道事業の抜本的な見直しをさらに急ぐことにした。

 JR北は「廃止ありきではない」と協議への理解を求めるが、首長や住民から反発も予想される。高橋はるみ知事は29日、「経営再建について国に必要な要請を行う」としつつ、「今回打ち出した見直しを拙速に行うことなく、慎重に対応するよう強く求める」との談話を出した。8月1日に高橋知事や経済団体幹部らが参加する今年2回目の「地域公共交通検討会議」で対応を考える方針だ。

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