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 「土用の丑(うし)の日」の30日、町中にはウナギを焼く香ばしい香りが漂った。「ウナギ風味のナマズ」も今年からスーパーの店頭に並ぶなど、高嶺(たかね)の花となったウナギの“代替品”をめぐる商戦も活発だ。

 近大マグロに続き近畿大学(大阪府)が手がけた「ウナギ風味のナマズ」。この日、東京・銀座と大阪・梅田にある直営料理店で「近大発ナマズ重」(2200円)が販売され、梅田では限定50食が40分ほどで完売した。

 大手スーパーのイオン各店舗にも「近大発なまずの蒲焼(かばやき)」(半身1枚税込み1598円)が並んだ。23、24日に先行販売しており、30日と合わせた3日間で約5千食が販売される。

 23日、イオンでかば焼きを買った大阪市住之江区の警備会社経営西村謙一さん(61)は食後、「おいしいとは思うけど、食感やにおい、小骨がウナギとは違う。改良の余地がある」。

 近大世界経済研究所の有路(ありじ)昌彦教授(41)が2009年に研究に着手。昨年5月、開発に成功した。食べた人へのアンケートでは、80%が「ウナギに似ている」と感じ、85%が「おいしい」と答えた。一方で脂の乗りが足りないとの声もあり、エサの脂質含有量や与える時間を工夫し、ナマズの切り身100グラムあたりの脂質を昨年の12・9グラムから15・1グラムに増やした。

 一方で養殖に参入する業者も増え、ナマズの稚魚が取り合いに。値段は1年前の1匹30~40円から、80~100円に高騰したという。安定供給も課題だ。問い合わせの多さから、近大は需要を10万トンほどと見込むが、来年の供給目標は約100トンにとどまる。

 有路教授は「ウナギのパチもん(偽物)やけど、『ウナギに似ている』でなく、『近大発ナマズはおいしい』と言われるようになるとうれしい」と語る。

 「一年中、ウナギの半額程度」が目標で、外食店でのメニュー化も視野に入れているという。(寺尾佳恵)