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 戦後71年の終戦の日となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれ、天皇、皇后両陛下が臨席して約310万人の戦没者を悼んだ。安倍晋三首相は昨年に続き不戦の決意を強調したが、アジア諸国への加害と反省には4年連続で触れなかった。

 追悼式には全国から約5300人の遺族らも参列した。安倍首相は式辞で「皆様の尊い犠牲の上に、私たちが享受する平和と繁栄があることを片時たりとも忘れない」と哀悼の意を表明。さらに海外に残された約113万柱の戦没者遺骨を念頭に「おひとりでも多くの方々が、ふるさとに戻っていただけるよう、全力を尽くす」と誓った。

 歴代の首相が踏襲してきたアジア諸国への「加害」と、それに対する「深い反省」や「哀悼の意」については、第2次安倍政権の発足以来、式辞の中で触れていない。安倍首相は昨年に続いて「戦争の惨禍を決して繰り返さない」との表現で不戦の決意を示した。

 正午の黙禱(もくとう)に続き、天皇陛下は「おことば」で昨年と同様に「深い反省」という表現を選び、「戦争の惨禍が再び繰り返されないこと」を切に願うと述べた。

 参列を予定していた5100人余りの遺族は世代交代が進む。20年前に1千人以上いた戦没者の妻は初めて一桁となる7人。子や孫は3千人を超え、全体の6割に達した。遺族を代表し、父親の瀬川寿(ひさし)さんがフィリピンで戦死した広島県東広島市の小西照枝さん(74)が追悼の辞を述べた。(久永隆一)