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【2014年10月30日 朝刊 科学面】

 新しい宇宙基本計画づくりを進めている政府が、衛星やロケット打ち上げの長期的な工程表を示し、関係する民間企業が事業の見通しを立てやすくしようとしている。背景には、欧米の企業に押されて経営基盤が揺らぐ国内業界の窮状がある。宇宙産業の維持は、宇宙分野での安全保障重視を打ち出す政権の狙いとも一致する。

 「予見可能性」という言葉が、宇宙開発政策のキーワードとなっている。安倍晋三首相が計画づくりを指示する文書でも使われた。山口俊一・科学技術担当相は9月、宇宙政策委員会(会長・葛西敬之JR東海名誉会長)で「自前で宇宙開発をする産業基盤が揺らぎつつある。強化するため、10年の計画として検討を進めて頂きたい」と述べ、企業が先を見越して投資しやすい環境を作る狙いを明かした。

 宇宙開発は民間企業と密接な関係にある。日本の主力H2Aロケットは三菱重工が打ち上げ、衛星は大手電機メーカーが手がける。宇宙機器産業は売り上げの9割以上が国頼みだが、日本の宇宙予算は欧米と比べて少ない。

 また、日米貿易摩擦を背景に交わされた1990年の日米合意で、政府系の事業では国際競争入札が義務づけられた。その結果、技術やコスト面で優位に立つ欧米企業に受注が集中。現在20機以上ある商用通信・放送衛星で国産は1機だけだ。12年度の宇宙機器産業の売り上げはピークの98年度の8割程度に減少。従業員も95年の約8割に減った。政府内には国内の宇宙産業の衰退は安全保障を揺るがしかねない、との認識がある。

 新たな基本計画は、宇宙政策委員会が8月に公表した「中間とりまとめ」が土台になる。日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星について7機体制を早い段階で確立し、アジア各国での利用促進をうたう。20年度をめどに新たな基幹ロケットの試験機の打ち上げ、観測衛星を切れ間なく整備する検討も進め10年間の工程表を作る方針だ。

 だが、国の予算は単年度。いつ何を発注するのかをどこまで明確にできるのか。内閣府の小宮義則・宇宙戦略室長は「単年度主義とのバランスが難しいが、めどを立てやすい計画にしたい」と話す。

 ■「探査や研究とのバラン…

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