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■小さないのち ある日突然

 真夜中。眠っているはずの蓮音(れのん)君(当時7)が布団から消えていた。母親が家中をさがし回った末、前日に家に届いたばかりのドラム式洗濯機の中で、ぐったりとしている蓮音君の姿を見つけた。昨年6月、東京都内でのことだ。

 すぐに救急車を呼んだが、搬送先でまもなく死亡が確認された。警察は窒息による事故死と判断した。

 昼間、蓮音君は新品の洗濯機を興味深そうにのぞき込んでいたが、中に入ろうとする様子はなかった。なぜ夜中に洗濯機に入ったのかは、いまもわからない。

 母親が後に知ったのは、大半のドラム式洗濯機は、いったん中に入ると、大人の力でも内側からドアを開けることはできない構造だということだ。「家の中で使う物なのに、そんな危険があったなんて」。量販店で買った時も危険を知らせるような説明はなかった。

 「妖怪ウォッチ」や「ポケモン」が大好き。家の前で石をひっくり返しては虫を見つけて喜ぶ、元気な子だった。いま、蓮音君の同級生とすれ違うと、その成長をほほえましく思いつつ、切なくもなる。「あの子は一体、どんな風に大きくなっていたんだろう」

 蓮音君の事故は、国内でのドラム式洗濯機の閉じ込め事故として初めて大きく報道された。これを受け、家電メーカーは閉じ込めの危険をホームページで注意喚起したり、子どもが外側からドアを開けられないようにする「チャイルドロック機能」の使用を呼びかけたりする対応を取った。一部メーカーは内側からドアを開けられるタイプを開発した。ただ、水漏れを防ぐ技術的な難しさもあり、全体の中ではまだ少数だ。

 ところが、蓮音君の事故は「最初の事故」ではなかった。朝日新聞と専門家による過去10年間の子どもの死に関する解剖記録の分析などから、2013~14年に、ドラム式洗濯機に閉じ込められたとみられる事故が3件起き、2~5歳の子どもが亡くなっていた。

 このうち13年3月に千葉県内…

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