国立民族学博物館(大阪府吹田市)名誉教授で民族・考古学者の加藤九祚(かとう・きゅうぞう)さんが日本時間の12日未明、調査のために訪れていたウズベキスタン南部・テルメズの病院で死去した。94歳だった。葬儀の日取りは未定。

 1922年、現在の韓国慶尚北道生まれ。陸軍士官として中国東北部で終戦を迎え、5年間のシベリア抑留を経験した。その際に身につけたロシア語を生かし、国立民族学博物館の創設期メンバーとして活躍。旧ソ連の一部だった中央アジアの民族学、歴史学などの紹介に努めた。相愛大教授、創価大教授も歴任。65歳から考古学に取り組み、シルクロード上にあるウズベキスタン南部で仏教遺跡の発掘調査を進めてきた。

 立正大によると、今月3日に大学の学術調査隊顧問として現地入りしたが、体調を崩し、7日から入院していた。

 「天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯」で76年に大佛次郎賞、長年の幅広い研究で99年に南方熊楠賞を受賞。日本との友好交流への尽力が評価され、2002年にはウズベク友好勲章を受けた。主な著書に「シベリアに憑(つ)かれた人々」「シルクロードの古代都市 アムダリヤ遺跡の旅」など。