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 市民生活を守る行政の機能は災害時にこそ強く求められる。熊本地震で庁舎が閉鎖された自治体の混乱は、機能を維持する業務継続計画(BCP)の大切さを物語る。だが、人員や予算不足を理由に全国の自治体で策定が進まない。一方、大災害を乗り切った企業は策定とともに実践的な訓練の重要性を説く。

■準備なかった熊本県宇土市、代替施設は偶然確保

 熊本地震では熊本県内の自治体で機能停止が相次いだ。4月16日の本震で倒壊の恐れがあるとされ、本庁舎が閉鎖された宇土市。住民票発行などの窓口業務を含む主な行政機能が停止し、本震から3日間、駐車場に立てたテントで緊急対応にあたった。

 BCPは策定しておらず、代替庁舎も明確にしていなかった。19日に近くの市民体育館に機能を移したが、ここも本来は指定避難所。屋根が破損して避難者をよそに振り分けたため、偶然空いた施設だった。

 職員約260人の半数が配置されたが、確保できたパソコンは10台。電話は12回線で内線もなく、職員用の食料の備蓄もなかった。夜間に届く救援物資に対応できず、受け入れを止めたこともあった。

 5月10日、市は各課に内線電話1台とパソコン1台を確保して「通常業務」を再開。プレハブの仮庁舎が完成する8月上旬まで体育館で業務を続けた。

 市は今年度、BCPを策定する…

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