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 全国の警察が今年上半期(1~6月)、虐待を受けているとして児童相談所に通告した18歳未満の子どもは2万4511人に上り、上半期の統計を取り始めた2011年以降5年連続で増え、最も多くなった。年間で過去最多だった昨年の上半期を7287人(42・3%)上回った。警察庁が15日発表した。

 今年上半期に通告が行われた虐待のうち、最も多かったのは心理的虐待の1万6669人で68・0%を占め、次いで身体的虐待の5025人で20・5%だった。性的虐待、育児放棄(ネグレクト)を加えた4類型すべてで前年同期より増え、特に心理的虐待は約5割増。その中でも、子どもの前で配偶者らに暴力を振るう「面前DV」の増加が目立ち、約6割増の1万1627人だった。「国民の意識の高まりが通告の増加につながっている」と担当者はみる。

 警察が、虐待があったとして保護者らを摘発したのは512件で、過去最多だった。身体的虐待が415件(81・1%)を占める一方、心理的虐待は16件(3・1%)にとどまった。身体的な虐待に比べて、立証が難しいためだという。刃物を突きつけ暴言を浴びせたなどとして、暴力行為等処罰法を実父母計10人に適用したほか、下着姿にしてベランダに立たせたとして、同居する母親の交際相手の男を強要容疑で摘発した事例などがあった。

 摘発事件で亡くなった子どもは19人で、被害者全体(523人)の3・6%だった。この割合は32%をピークに8年前まで2桁が続いていたが、以降は減少傾向にある。担当者は「重大な被害に至る前に的確に摘発できている」と話す。

 児童虐待をめぐる厳しい情勢を受け、警察庁は今年4月、通報を受けて安否を確認した子どもに虐待が認められなかった事例についても、児相などと情報共有を徹底するよう全国の警察に指示した。今年上半期は、虐待があったと判断した際に児童虐待防止法に基づいて行う通告とは別に、全国で7397件の情報を児相などに提供。指示前の前年同期と比べて4・6倍に増加した。

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(伊藤和也)