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 宅配便大手・佐川急便東京営業所(東京都江東区)の複数の運転手が配達中に駐車違反した際、身代わりとして知人らを出頭させていた疑いがあることが、警視庁への取材でわかった。同庁は16日、犯人隠避教唆や道交法違反などの容疑で東京営業所を家宅捜索。組織的に身代わり出頭が行われていた可能性もあるとみて、実態解明を進める。

 交通捜査課によると、今年5月、大型免許を持っていない人が佐川急便のトラックで駐車違反をしたとして警察署に出頭し、反則切符を切られていたことが、駐車違反データの捜査で判明。出頭者に説明を求めると、「佐川急便の運転手の知人に代わりに出頭するよう頼まれた」と説明した。

 実際に運転していた佐川急便社員の男性運転手も、任意の聴取に対して身代わり出頭を依頼したことを認め、「社内の人事評価に影響が出るのを避けたかった」と説明したという。

 これをきっかけに、同課が他の駐車違反データも調べたところ、東京営業所の社員が身代わり出頭させたとみられるケースが複数見つかった。同課は家宅捜索で関係資料を押収し、身代わり出頭を依頼した人物の特定や、営業所上層部の指示など組織的な関与がなかったかなどを調べる方針。

 違法駐車の取り締まりでは、警察官などが違反を通知する「放置車両確認標章」を車両に貼り付け、車両のナンバーや外観などをデータベースに記録する。運転手はこの標章を持って警察に出頭するが、実際の運転者だったかどうかを警察が確実にチェックするのは難しい。

 佐川急便広報部は朝日新聞の取材に、社員が今年5月に身代わりで知人を出頭させたことは認めたが、「同様のことをした社員が複数いたかは確認できていない」と説明。「警視庁の捜査に全面的に協力し、社員の指導・教育を徹底する」と話した。