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 各地で深刻化する空き家問題。所有者がいれば自治体側は処分を求めることができるが、ひとり暮らしの世帯主が亡くなるなどして所有者がいなくなったケースでは、解体や撤去に公費が投じられることも少なくない。税金をなるべく使わず、空き家も「二次利用」できないか――。大阪では独自の取り組みも進む。

 大阪府箕面市の閑静な住宅街で暮らしていた80歳の女性が2010年、亡くなった。女性が一人で住んでいた家は築20年余りの木造平屋建て。女性は未婚で、市側は戸籍を明治時代までさかのぼって調べ、相続人を捜したが、連絡が取れる親族は見つからなかった。

 市によると、空き家となった女性の家はその後、ブロック塀が壊れて通学路に倒れかかってきた。「空き家対策特別措置法」にもとづいて強制的に解体・撤去することも視野に検討を始めた。一方で、女性の家は阪急桜井駅から徒歩約10分で、スーパーも近い。リフォームをすれば十分に住める状態にあるという。

 家を売却して、フェンス設置や庭木を切るのにかかった公費を回収できないか――。市は「相続人が明らかでないとき、管理人を選んで財産を管理、清算し、最終的に国庫に入れる」とした民法の規定に着目。大阪家裁に相続財産管理人の選任を近く申し立てることを決め、今年8月には公費で塀を撤去し、木を根元から伐採した。

 空き家をめぐる自治体の対応としては異例のケースだが、市環境動物室の牛尾英樹室長は「人気のある住宅街なので、2千万円くらいで売れる」とし、撤去や伐採、弁護士にかかる費用など300万円の公費を回収できるとみている。

 総務省の住宅・土地統計調査(…

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