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 民進党の蓮舫新代表は16日の両院議員総会で、野田佳彦前首相を幹事長に起用する人事を示し、了承された。野田氏は民主党政権3代目の首相だったが、消費増税をめぐり党が分裂。衆院を解散して総選挙で惨敗し、下野した責任者。党内からは厳しい見方があり、野田氏自身も当初は就任を固辞していたが、最終的に受け入れた。

 首相経験者が野党の幹事長を務めるのは極めて異例。蓮舫代表は議員総会で、幹事長起用の理由について「安倍(晋三)首相と対峙(たいじ)する、衆院でしっかりして頂ける経験を持っている」と説明した。

 野田氏は蓮舫氏が所属する議員グループを率い、蓮舫氏が最も信頼を寄せる人物。首相時代は安倍氏と党首討論で渡り合い、最近も野田政権が決めた10%への消費増税を安倍氏が2度にわたり延期したことや「アベノミクス」への批判を強めていた。蓮舫氏としては、安倍政権と対決する象徴と位置づけたい考えだ。

 だが、野田氏の首相時代の政権運営に対する不満や不信はぬぐえていない。総会では逢坂誠二衆院議員が「様々なことに対する考え、思いを皆に伝えなければ、蓮舫代表の船出に傷が付く」と指摘した。野田氏は直後にあいさつし、「多くの落選して戻れない人たちのためにも、自分の政治人生の落とし前を付けるつもりで、火中の栗を拾う決断をした」と述べた。

 野田氏は当初、共産党との共闘にも慎重で、首相時代に対立した小沢一郎氏らとの連携には極めて否定的だった。幹事長就任後、野党共闘について記者団に問われると、「強い自民党・公明党連合軍に挑んで戦っていくには野党間の連携も不可欠だ」と語った。蓮舫氏も16日、朝日新聞のインタビューで、「代表の判断次第」と述べ共闘路線を踏襲する意向を示した。

 他の党人事は週明けに正式決定することになり、細野豪志元環境相の代表代行就任が内定した。