政府は23日、生前退位の意向を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受け、新たに「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設置すると発表した。メンバーに今井敬・経団連名誉会長や御厨貴・東大名誉教授(日本政治史)ら6人を起用。10月中旬に初会合を開き、数カ月以内に提言の取りまとめを目指す。

 菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で「今上陛下が82歳とご高齢であることも踏まえ、天皇の公務の負担軽減などを図るために、どのようなことができるのか検討する」と語った。「様々な専門的知見を有する方々からヒアリングを行い、課題や問題点を整理して、国民の幅広い意見を反映した提言をとりまとめてもらう」とも述べた。

 有識者会議の座長には今井氏を充てる方向だ。首相官邸関係者は「国民の代表として議論するため、幅広い分野の識者から選定した」と話す。実際の議論の進め方は、6人のメンバーが中心となり、皇室問題に詳しい専門家らを随時招き、ヒアリングする形式を想定している。

 政府は、いまの天皇陛下に限って生前退位を可能とする特別措置法の整備を軸に検討を進める方針だ。首相周辺は「まずは喫緊の課題を前に進めるべきだ」と指摘する。有識者会議も当面の議論は生前退位をめぐる問題を中心に進め、一定の方向性が見えた段階で提言を取りまとめる。その後、女系・女性天皇をめぐる問題などに議論を広げることも検討する。政府は早ければ来年の通常国会にも、生前退位を可能とする法案を提出したい考えだ。

■「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」メンバー

・今井敬・経団連名誉会長

・小幡純子・上智大法科大学院教授(行政法)

・清家篤・慶応義塾長(労働経済学)

・御厨貴・東大名誉教授(日本政治史)

・宮崎緑・千葉商科大教授(国際政治学)

・山内昌之・東大名誉教授(国際関係史)