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 米全国紙USAトゥデーは29日、米大統領選について「共和党候補のトランプ氏に投票すべきでない」という社説を出した。米国で最大の部数とされる同紙は1982年の創刊以来、大統領選で立場を表明してこなかったが、「今年は能力のある2人の候補の争いではない。トランプ氏は大統領の適性を欠く」として慣例を破った。

 社説はトランプ氏について「不安定だ」「差別を繰り返している」「ウソをつき続けている」と列挙。論説委員会の一致した意見として「大統領にすべきでない」と書いた。一方、民主党のクリントン氏については委員の間で、率直さに欠ける点や、国務長官時代の機密情報の取り扱いをめぐって懸念があったとして、推薦は見送った。このため、投票すべき候補は有権者に委ねつつ、「危険なデマゴーグ(扇動家)の誘惑に惑わされないで欲しい。ぜひ投票して、トランプ氏ではない人に」と結んだ。

 米国の新聞の多くは、社説で特定候補の支持を表明する。しかしUSAトゥデーは、全米の幅広い読者を対象にしていることや、政治的な中立を目指していることもあり、選挙での態度表明は避けてきた。(ニューヨーク=中井大助