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 元慰安婦らに対する安倍晋三首相の「おわびの手紙」を求める韓国内の声に、韓国政府が対応に苦慮している。安倍首相は3日、「毛頭考えていない」と一蹴。韓国外交省報道官の4日の記者会見では、この発言に対する質問が集中し、説明に追われた。

 昨年末の日韓合意で、安倍首相は「おわびと反省の気持ち」を表明している。ただ、韓国政府が設立した元慰安婦を支援する財団などからは同様の趣旨を記した首相の手紙を求める声が出ていた。外交省報道官は9月29日、「慰安婦被害者の心の傷を癒やす追加的な、感性に訴える措置に期待している」と述べた。

 4日の外交省報道官の記者会見では、安倍首相の発言への質問が集中。報道官は「発言については言及を控える」とし、「政府としては合意の精神と趣旨を尊重し、被害者の名誉の回復が速やかにできるよう日本側と協力していく」と説明。何度も同じ答弁を繰り返し、理解を求めた。

 韓国政府としても、日韓合意に首相の手紙といった措置が明記されていないことから、実現の難しさは理解している。とはいえ、合意自体への反対論が依然根強い中で、「首相の手紙」によって理解が広がることにつながらないかとの期待がある。また安倍首相が手紙を出すかどうかが、韓国内で焦点化しつつあり、難しい対応を迫られている。(ソウル=東岡徹