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 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、厚生労働省は、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の対策を強化する。主な公共施設で建物内禁煙とする一方、飲食店などサービス業の施設は原則禁煙とし喫煙室の設置は認める。施設管理者や喫煙者を罰則付きで規制する法整備の「たたき台」を12日に示した。

 厚労省は今後、各省庁や関係団体と調整し、詳細を詰める。新法か健康増進法の改正を検討する。

 たたき台では、多数の人が利用し、他施設と代替が難しい官公庁や社会福祉施設などは「建物内禁煙」。特に未成年者や患者らが主に利用する学校や医療機関はより厳しい「敷地内禁煙」とする。

 利用者側に他施設を選ぶ機会がある飲食店などのサービス業施設や、職場のオフィスなどは「原則建物内禁煙」とし、煙が外に流出するのを防ぐ喫煙室の設置を認める。

 施設管理者は禁煙場所の範囲や喫煙室の位置を掲示するなどの義務、利用者は禁煙場所で喫煙しない義務があり、違反者が勧告や命令に従わない場合、過料などの罰則を適用する。

 03年施行の健康増進法は施設管理者に受動喫煙対策を課すが、努力義務にとどまる。一方、海外では病院や飲食店など公共の場を屋内全面禁煙とする法律を施行する国が14年末時点で49カ国あり、世界保健機関(WHO)は日本の対策を「世界最低レベル」と指摘している。国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは「たばこのないオリンピック」を共同で推進し、近年、日本以外の五輪開催地と開催予定地は、罰則を伴う受動喫煙防止策を講じている。

 WHOの報告によると、世界で毎年60万人が受動喫煙により死亡。厚労省研究班は国内の死亡者も年1万5千人と推計している。厚労省は「国民のさらなる健康の増進に向け、従来の努力義務よりも実効性の高い制度を目指す」としている。

 ■主な施設での受動喫煙防止対策(案)

◇医療機関、小学校、中学校、高校

 →敷地内禁煙

◇官公庁、社会福祉施設、運動施設(スタジアムなど)、大学

 →建物内禁煙

◇飲食店、ホテル・旅館(ロビーほか共用部分)などのサービス業施設、事務所(職場)、ビルなどの共用部分、駅、空港ビル、船着場、バスターミナル

 →原則建物内禁煙(喫煙室設置可)

◇バス、タクシー

 →乗物内禁煙

◇鉄道、船舶

 →原則乗物内禁煙(喫煙室設置可)

 (厚生労働省の資料から)

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(黒田壮吉、竹野内崇宏)