【動画】中国の有人宇宙船「神舟11号」が打ち上げられた=益満雄一郎撮影
[PR]

 中国の有人宇宙船「神舟11号」が17日午前7時30分(日本時間同8時30分)、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、予定された軌道に投入された。センターの責任者が打ち上げ成功を宣言した。2日以内に、9月に打ち上げた実験室「天宮2号」とドッキングする予定。宇宙飛行士2人が天宮2号に乗り移り、30日間滞在して、実験に取り組む。

 神舟11号に乗り込んだ宇宙飛行士はいずれも空軍パイロット出身の景海鵬さんと陳冬さん。宇宙服姿の2人は打ち上げの約3時間前、発射場近くの壮行会会場に姿をみせ、民族衣装を着た人や軍人らに見送られた。予定通りの時間に打ち上げられると、爆音が響き渡り、1キロ以上離れた撮影地点まで熱風が届いた。

 中国の宇宙当局によると、神舟11号は同7時49分に予定していた軌道に入った。今後、地上から高度400キロ弱の軌道上にある天宮2号と合体し、宇宙ステーション運営に欠かせないドッキングや分離、地球への帰還といった技術の検証のほか、宇宙に長く滞在する飛行士の人体への影響を小さくする研究などを進める。

 神舟11号は実験後に天宮2号と分離し、1日で地球に戻る予定。打ち上げから帰還までは計33日となり、中国の有人宇宙飛行としては最長となる。2018年に建設を始め、22年完成をめざす中国独自の宇宙ステーション運用に必要な技術を蓄える狙いがある。

 米ロや日本が参加する国際宇宙ステーション(ISS)は24年までの運用継続は決まっているが、それ以降は未定。中国の宇宙ステーションが予定通り完成すれば、中国が世界で唯一、宇宙ステーションを運用する国となる可能性もある。宇宙開発を進めることで、安全保障面でも優位に立ちたいとの思惑がある。

 発射後、インド訪問中の習近平(シーチンピン)国家主席は「宇宙強国をつくるために貢献してほしい」とする祝賀メッセージをよせたほか、李克強(リーコーチアン)首相らも北京で発射を見守った。中国メディアも大々的に報じており、国家の威信をかけた事業であることを示した。(酒泉衛星発射センター=益満雄一郎)

関連ニュース