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 通常の2倍の染色体を持つ生物(4倍体)として知られるアフリカツメガエルのゲノム解読に日米の国際共同チームが成功した。約1800万年前に違った種のカエルが交配し、ゲノムが倍増したとみられるという。遺伝子の数が一度に2倍になることは進化の原動力の一つとされ、進化の謎を解く手がかりになりそうだ。20日付英科学誌ネイチャーに発表する。

 ウマとロバの交配で生まれるラバに生殖能力がないように、異種生物が交配しても通常、子孫は残せない。ただ、何らかの原因で染色体が倍に増える「全ゲノム重複」が起きると子孫を残すことが可能になる。アフリカツメガエルの染色体が18対ある一方、近縁種のネッタイツメガエルの染色体が10対であることや同じような遺伝子を2個ずつ持つことなどからアフリカツメガエルは全ゲノム重複が起きたと考えられてきた。

 研究チームがゲノムを解析すると、それぞれ9対の二つの染色体のセットに分けられることがわかり、過去に異種交配が起きたことが裏付けられた。遺伝子の塩基配列の変化などから約1800万年前と推測された。

 アフリカツメガエルはネッタイツメガエルに比べて体が大きい。ゲノムの倍増で、体が大きくなって生存競争に有利になり、アフリカの広い範囲に生息するようになったと考えられるという。

 脊椎(せきつい)動物の祖先は約5億年前に全ゲノム重複を2回起こし、脊椎動物の誕生につながったと考えられている。ただ、時間の経過とともに遺伝子が変化しているため仕組みの解明は難しい。チームの平良真規・東京大准教授(分子発生学)は「アフリカツメガエルのゲノムには進化の痕跡が残されており、約5億年前の全ゲノム重複の謎を解く鍵となる」と話す。(瀬川茂子)