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 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は19日、安倍晋三首相と首相官邸で会談し、東京五輪・パラリンピックで、野球・ソフトボールを念頭に複数の競技・種目を、東日本大震災の被災地で開くことを提案した。バッハ会長は会談後、記者団に「復興に貢献したい。世界の人たちに、復興の進捗(しんちょく)を示すことができる」と提案理由を説明した。首相も歓迎したという。

 被災地での競技開催をめぐっては、今年8月に追加競技に決まった野球・ソフトボールを福島県の福島、郡山、いわきの3市が招致している。両種目について、バッハ会長は「検討している選択肢の一つ。たとえば、日本チームが参加する野球の試合を催すことは非常にパワフルなメッセージにつながりうる」と語った。両種目の会場は、今年12月のIOC理事会で決まる見通しだ。

 このほかにも、宮城県利府町でサッカーの1次リーグが開催されることがすでに決まっている。聖火リレーの出発地には、同県石巻市の経済団体などが名乗りをあげ、被災地と東京をつなぐルートを提案している。

 一方、東京都が検討しているボート・カヌーの会場を東京湾岸の「海の森水上競技場」から宮城県登米(とめ)市の長沼ボート場へ移す案について、バッハ会長は小池百合子・都知事との18日の会談で、「開催都市として選ばれた後に競争のルールを変えないことこそが東京や日本、IOCの利益にかなう」と述べ、慎重な姿勢を示している。

 首相との会談は約25分間、非公開で行われ、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長も同席した。バッハ会長は大会費用の削減についても意見交換し、「(都、大会組織委員会、IOCの議論に)政府が参加することで、コストを大幅に削減できると確信している」と述べた。また、「東京大会を、ドーピングと戦うという意味において最もクリーンな大会にしたい」と、ドーピング対策を説明し、首相から支援の約束を取り付けたという。(大城大輔)