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 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が死亡・行方不明になった宮城県の石巻市立大川小学校をめぐる訴訟で、学校側の過失責任を認めて児童23人の遺族に総額約14億3千万円を支払うよう市と県に命じた仙台地裁判決を不服として、市は仙台高裁に控訴する方針を固めた。県も控訴の方向で検討している。市幹部が28日、議会関係者に控訴の意向を伝えた。

 亀山紘市長は28日、記者団に対し「今回の判決で(死亡した)先生方に責任を負わせることはつらい。学校の防災教育にも大きな影響を与える内容で、今後のことを考えて控訴する」と説明。村井嘉浩知事も「市の対応を見守りつつ、慎重に判断していく」とのコメントを出した。

 26日の地裁判決は、教員は津波の様子を伝えるラジオ放送や市の広報車の呼びかけを聞いており、「遅くとも津波が到達する7分前までには、児童に危険が迫っていると予見できた」と判断した。

 さらに、避難先に選んだ北上川の橋のたもとの小高い場所(標高7メートル)は津波が到達した場合に逃げ場がない一方、学校の裏山は津波から逃れる十分な高さがあったとし「避難場所としては不適切だった」と遺族側の訴えを認めた。

 市と県側は、大川小は過去に津波被害に遭っておらず、津波浸水想定区域でもなかったと主張。裏山は崩落などの危険があり、教職員の避難行動は合理的だと反論していた。