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 過酷な災害復旧作業や上納金集め――。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権が展開する「200日戦闘」と呼ばれる増産運動の一端が、中朝国境付近の取材で浮かび上がってきた。この夏の終わりに台風10号で被災した国境の街は、北朝鮮政府や軍の号令のもと、人海戦術で復旧作業に当たっていた。

 9月10日、台風10号による洪水被害を受けた北朝鮮・咸鏡北道南陽が見渡せる場所に向かった。中朝国境を流れる図們江(北朝鮮名・豆満江)の対岸にある中国・吉林省延辺朝鮮族自治州図們の高台に立つと、南陽の街がよく見えた。

 川に近い民家の多くは浸水し、一部の民家は全壊。外壁が流されて室内がむき出しの住宅もあった。

 北朝鮮北東部では8月末から9月初めにかけて、台風の被害が広がった。国連人道問題調整事務所によると、少なくとも138人が死亡し、約400人が行方不明に。住まいを失った人は約6万9千人に上った。

 9月24日早朝、再び高台に上ると、南陽の様子が一変していた。川に近い民家がごっそり撤去され、更地になっている。被災した建物は倒壊の恐れがあるので、新たに集合住宅の建設に乗り出したようだ。

 北朝鮮政府は、人口7万人とされる南陽に軍を動員。荒れ地の一角に止まった宣伝車の屋根には、「200日戦闘」と書かれた看板が見えた。図們の住民によると、中国側も重機を出動させ、寄付金や資材を送って協力しているという。

 「大きな洪水から回復する闘いに、軍民が一致団結した威力を発揮しよう」。町の各所にこんなスローガンが掲げられ、楽器を持った演奏隊も出動。図們まで、住民らを鼓舞する勇ましい音楽が響いている。

 しかし重機は少なく手作業がほとんど。図們の住民によると、作業は早朝4時ごろから翌日未明まで続くといい、疲れたのか座り込む作業員も見られた。

 その1カ月後、改めて高台から南陽を望むと、更地だった場所に5階建て前後のアパートが続々と建設されていた。望遠レンズで見ると、木の棒や破片で足場と階段を作り、アパートを建設している。クレーンは見当たらない。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10月27日、南陽の住宅建設が最終段階にあるとして、「連日奇跡を生み出している」とたたえた。

■増産運動不振、復興が隠れみの…

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