【動画】炎をあげて燃えるイベントの展示物=イベント来場者提供
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 東京・明治神宮外苑で開かれていたロボットやオブジェなど現代アートの展示イベントで6日夕、木製の展示品が燃え、遊びに来ていた5歳の佐伯健仁(けんと)君が火に巻き込まれて死亡した。晩秋の休日が一転し、会場には消火作業にあたる人たちの大声が飛び交った。

 「子どもが中にいる!」。木製のジャングルジムから火が上がり、健仁君の父親とみられる男性が助けを求めて叫んだ。来場者によると、救急車や消防車を呼ぶ怒号がして、近くにいたスタッフらが消火器やバケツで消火にあたった。

 ジャングルジムのそばにいた男性(32)によると、あたりが急に赤くなり、振り返ると、すでに火柱が5~6メートル上がっていた。「最初はキャンプファイアか何かかと思った」。しかし、警備員やスタッフが慌ただしく走って行き、火事だとわかった。その後、黒い煙が出始め、10分ほどで救急車が到着したという。現場にいた30代の男性は「子どもが中にいると聞き、助けようとしたが火の手が強く、手が出せない状態だった」と話した。

 別の作品を出展した大学院生の男性は午後5時過ぎ、ジャングルジムの方から黒っぽい煙がもうもうと立ち上っているのに気づいた。「何かのパフォーマンスかと思った」。煙の方から来場者らの悲鳴が聞こえてきて、惨事だと分かったという。

 この火事で健仁君が死亡したほか、救助しようとした父親(44)と40代の男性もやけどなどのけがをした。火災後、ジャングルジム周辺には規制線が張り巡らされ、警察官や消防隊員らが集まっていた。会場を訪れていた人たちが不安そうに現場を見守っていた。

 火災の後もイベントは続いていて、ある出展者の女性(30)は「事務局側からは口頭で『ボヤがあった』という説明しか受けなかった」と話した。