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 遺伝性の難病「脊髄(せきずい)小脳失調症1型」(SCA1)について、群馬大大学院の平井宏和教授(神経科学)らのグループは7日、歩行や手先を使う動きなどに異常をきたすメカニズムの解明に成功した、と発表した。今後、臨床試験を経て治療への応用につなげたいとしている。

 平井教授によると、SCA1は小脳内の神経に異常をきたして運動機能が衰え、歩行困難や言語障害などを起こす疾患で、国内には数百人の患者がいる。現在、根本的な治療法はなく、症状の進行を遅らせる対症療法の薬しかない。原因遺伝子はわかっているものの、メカニズムはわかっていなかった。

 グループは遺伝子操作によってSCA1を再現したマウスを使って、小脳の神経細胞にあるたんぱく質「mGluR1」の機能が弱まり、運動に必要な物質伝達が滞ることを突き止めた。そこで、すでに筋弛緩(しかん)薬として国から承認されている薬剤を投与すると、mGluR1の働きが強まって物質伝達が活性化し、投与しないマウスに比べて運動機能が改善したという。

 平井教授は「ほかの種類の失調症にも効果があるかなど、さらに研究を進めたい」と話す。研究結果は英科学誌「ザ・ジャーナル・オブ・フィジオロジー」(電子版)で発表した。