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 東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の市長選が13日告示され、同原発の再稼働について「条件付きで容認」を掲げる元市議と、「反対し、廃炉をめざす」とする元市職員が立候補を届け出た。同県では10月の知事選で、再稼働に慎重な米山隆一氏が当選しており、地元市長選の結果が注目される。投開票は20日。

 同市長選は、3期で引退する会田洋市長(69)の任期満了に伴う。立候補を届け出たのはいずれも無所属新顔の、元市議で学習塾経営の桜井雅浩氏(54)と、元市職員で保健師の竹内英子氏(47)=共産、社民推薦。

 桜井氏は2004年と08年の市長選で原発容認を掲げ、慎重派の会田市長に敗れた。福島第一原発事故後に「老朽化した原発から減らす」と考えを変えた。再稼働は「条件付きで容認」としているが、その条件は「当選したら、市民に意見を聞きたい」と言うにとどめている。会田市長のほか、保守系を中心に市議の大半が支持する。

 竹内氏は、地元の脱原発グループ「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」から擁立された。市職員として20年以上勤務し、福島第一原発事故後には福島県の被災地に派遣され、避難者の支援にあたった経験がある。「原発は過酷事故が起きるという前提に立つべきだ。その上で議論すれば、市民の総意は再稼働ノーになるはずだ」と訴える。

 10月の知事選では、共産、社民、自由の推薦を受けた米山隆一氏が、原発再稼働を進める自民、公明の推薦候補を破った。米山氏は知事就任後も「県民の命と暮らしが守られない現状では、再稼働は認められない」と姿勢を変えておらず、現時点での再稼働は困難な情勢となっている。

 市長選では原発問題以外にも産業振興や人口減対策などが議論される見通しだ。

 桜井氏の第一声はまちづくりの全般的な目標が中心だったが、最後に原発に触れた。「原子力災害対策特別措置法の改正をお願いしたい。第一条の災害予防の主語が原子力事業者になっている。避難のための道路や除雪体制づくりも予防対策であり、主語は東京電力のみならず、国でなければならない。柏崎の安全や経済の向上を進めるうえで法改正が必要だ」と述べた。

 竹内氏は第一声のほとんどを再稼働問題に割いた。「事故が起きれば長い長い避難生活が始まる。現に福島ではもう6年目だ。再稼働は市民の健康と暮らしと命を危機にさらす。事故の可能性があることに、勇気を持って向き合おう。それを乗り越えた先に、皆が思ったことを率直に語れ、のびのびと暮らせる、安全安心な柏崎の未来が待っている」と訴えた。(渥美好司、北沢拓也)