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 日本糖尿病協会理事長の清野裕・関西電力病院総長は、「欧米人に比べ日本人はインスリンの分泌量が少ないため、肥満になる前に糖尿病を発症しやすい体質だ。極端に言えば、濃淡はともかく、日本人の半分は糖尿病になるともいえる」と、国民全体で取り組むべき問題だと指摘する。

 さらに、合併症の怖さを強調する従来の啓発のあり方も見直す必要があるという。

 「糖尿病は、生活である程度コントロールできる病気で、不治の病と考えるのはおかしい。糖尿病治療で行われる食事、運動療法は、健康になるためのもの。早く糖尿病が分かったことで、状態が悪化するのを遅らせ、さらに健康につなげることができる。マイナスイメージばかりではなく、ポジティブにとらえ、糖尿病といかに共存するかを考えた方がいい」と話す。

 忙しい働き盛りの世代の人が、治療から脱落せずに継続するには、それぞれの家族構成や性格などに応じ柔軟に対応することが重要だ。

 「日常生活が多様化する現状では、理想的なことばかりを言っても解決はしない。運動なら1日40分くらい歩くとか、食事の量を少し減らすとか、自分でできることから前向きに取り組むことが長続きにつながる」とする。

 さらに、今後の課題として、子どもを含む若年者の問題をあげる。

 「子どものコレステロールは米国より高くなっており、かつては1型ばかりだった子どもの糖尿病は、いまは2型の方が多くなっている。『子どもの味覚は3歳までに決まる』と言われている。ポテトチップスやフライドチキンなど脂の味に慣れてしまったら、和食のだしのおいしさを感じなくなってしまう」と幼少期の家庭での食育が重要だと指摘する。

<アピタル:ニュース・フォーカス・オリジナル>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(北林晃治)

北林晃治

北林晃治(きたばやし・こうじ) 朝日新聞記者

2002年朝日新聞社入社、北海道報道部、さいたま総局をへて、東京本社生活部、科学医療部。厚生労働省など社会保障、医療分野を取材。東日本大震災後、社会部をへて再び科学医療部へ。2016年9月からアピタル編集部員