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同志社大「同志社大PRESS」

 「ワン! ツー!」。トレーナーの力強い声がかかると、重いパンチがサンドバッグに突き刺さる。京都大工学部4年のプロボクサー、小木曽友輔(おぎそゆうすけ)さん(23)=スーパーフェザー級=は京都市のジム「フュチュール」で練習に励む。

 高校までサッカー部に所属し、大学では初めラクロス部に入部した。しかし、右ひざの靱帯(じんたい)を2度にわたり断裂、手術し、ラクロスの道は断念した。「何もやっていないことが嫌い。常に何かに全力を注ぎたい」。ラクロスをあきらめた悔しさを晴らしたいと思っていた2年前の12月、友人に誘われたことがきっかけでジムの門をたたいた。

 周りの選手から刺激を受けながら練習を積み重ね、昨年11月にプロテストに合格。持ち味の長いリーチを生かした右ストレートに磨きをかけた。

 今年4月16日、初の公式試合に臨んだ。接近戦で攻め、結果は3―0の判定勝ち。「ほっとした。多くの人が応援してくれていたので、うれしかった」

 試合ではいたボクシングトランクスには、ラクロス部時代の背番号22をデザイン。会場には、かつて22を譲り受けた先輩と、今22を付けている後輩が応援に駆け付けた。「ラクロスでは結果を残せなかったが、その時の番号を付けて勝ててよかった」

 10月9日に行われた2戦目も3―0の判定勝ち。初戦から一転、相手と距離をとるアウトボクシングで戦い、2連勝した。「初戦を勝ったことで注目され、プレッシャーを感じたが、話題だけで終わらないためにも勝ちたかった」と振り返る。

 チーフトレーナーの松本憲亮さん(37)も「めちゃくちゃいい試合。練習でできなかったことが試合でできて、本番に強いなと感じた」と絶賛する。

 大学では地球工学科でダムについて研究し、文武両道をこなす。2戦目の直前にはゼミでの発表を控えていて、練習を終えた夜に研究室に向かうこともあったという。大学院の入学試験にも合格し、将来は世界各地で働きたいと夢を描く。

 ボクシングは、魅力にはまると抜け出せないといわれる。小木曽さんも「練習は常にしんどいが、試合に勝ってしばらくすると、『やっててよかったな』とこみ上げてくるものがある」と笑顔をみせる。すでにとりことなっているようだ。

 スパーン! 文武両道の拳が、今日も快音を響かせる。

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 wktk(ワクテカ)は「ワクワクテカテカ」の略で、希望や期待を膨らませている様子を表す言葉です。この連載は関西の大学新聞・雑誌の記者が身の回りのニュースを紹介します。ツイッターとフェイスブックでも発信中。https://twitter.com/asahi_wktk別ウインドウで開きます https://www.facebook.com/asahi.wktk別ウインドウで開きます

 企画・構成/朝日新聞大阪本社地域報道部

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