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 国際エネルギー機関(IEA)は16日発表の世界エネルギー見通しで、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」で定めた取り組みが実行に移された場合、原油価格は2020年に1バレル=79ドルと15年の51ドルから約55%上がるとした。

 ただ、IEAのビロル事務局長は16日の記者会見で「石油価格が大きく変動する時期に入った」と指摘。IEAは、生産の効率化などで20年代前半まで1バレル=50~60ドルの安値水準が続く可能性が排除できないとする一方、原油採掘への投資減少が長引けば需給のバランスが崩れ、価格の急上昇を招くおそれも指摘した。

 IEAは現在の政策が続いた場合、原油価格は20年に1バレル=82ドルになるが、パリ協定で定めた取り組みを進めれば、原油需要の伸びは緩やかになり、価格は下がると試算。40年には1日あたりの世界の石油需要は15年比12%増の1億350万バレルと、現在の政策が続いた場合と比べ1350万バレル減り、原油価格も22ドル低い124ドルになるとした。

 ただ、ビロル氏は、現在の取り組みではパリ協定で定めた、産業革命以前からの平均気温の上昇を2度未満にするという目標は達成できないと指摘。目標を達成するため、各国が取り組みをさらに加速させた場合、石油需要は40年には15年比で21%減り、原油価格も78ドルになる見通しも示した。(ロンドン=寺西和男)