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 37年前に大阪で創刊した障害者雑誌が、来夏の最終号で幕を閉じる。障害者が発言する場はネットなどで飛躍的に広がり、編集部は役割を終えたと判断した。障害者が生きやすい世の中をどう実現するか――。携わった人たちは今後も、この問いかけを続けるつもりだ。

 障害者のための総合雑誌「そよ風のように街に出よう」は1979年に創刊。当時は交通機関や公共施設で障害者向けの対応が進んでおらず、車いすの人の外出も困難だった。障害者の問題を正面から取りあげた雑誌は珍しかった。

 創刊時から編集長を務める河野秀忠さん(74)は70年代初めに障害者の友人と出会い、この問題に取り組むようになった。0号の「発刊のことば」はこうつづられている。「障害者や、障害者をとりまく多くの人々の生活は、何を切実に望んでいるのか。私たちはそのことを知りたい」

 0号の写真特集で、障害がある息子との生活を語った奈良県の梅谷明子さん(76)は、「河野さんに『やってみなはれ』とまくし立てられ、雑誌に出たことで多くの人たちとつながった」。息子を健常児と同じ地域の学校に通わせる運動を起こし、「重度の障害があっても地域で暮らすという道を切り開いてこられたのは、この雑誌のおかげ」と振り返る。

 静岡県の溝口千津子さん(66)は、障害者と家族をテーマにした21号(84年)の特集に登場した。27歳の時に事故で頸椎(けいつい)を損傷して寝たきりになった。「障害を受け入れるのに時間がかかったが、この雑誌と出会って、自分を肯定できるようになった」

 当初は年4回の季刊で、90年ごろには1万部近くあったが、現在は年1~2回に。読者の高齢化やメディアの多様化を背景に部数が減り続け、終刊を決めた。

 「障害者自身が出て行く下支え…

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