スマートフォンの草分け的なメーカー「ブラックベリー」(カナダ)が今秋、スマホをつくるのをやめると決めた。スマホ時代を開拓したが、激しい競争の波にのまれた。著名ブランドの事実上の撤退は、ハイテク業界の栄枯盛衰を象徴している。

 「一時代の終わり」「スマホの代名詞よ、安らかに眠れ」。同社が9月下旬、自社でのスマホ製造撤退を発表すると、欧米メディアは感傷的に伝えた。今後は、人気があるインドネシアなど一部の国で、「ブラックベリーブランド」でのスマホ製造のライセンスを現地企業に供与する。

 小型キーボードが特徴のブラックベリーが世に出たのは1999年。情報の暗号化などセキュリティーの高さが売りで、外出先で頻繁にメールを送受信する米ウォール街や政府の関係者に普及した。「ビジネスパーソンの必須アイテム」と雑誌に出て、オバマ大統領も愛用した。一時は世界のスマホ市場の2割を占め、ノキア(フィンランド)に次ぐ2位に浮上した。

 カナダ・トロント市内の不動産会社で働くJ・ワレン・フロムさん(56)は「キーボードでメールができるのが好きで10年以上も使ってきた。カナダ企業を応援してきたが、自社の製造をやめるとは寂しい」。

 転機は2007年に訪れた。米…

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