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 熊本市の高齢者専用住宅で入居女性に後遺症が残ったのは、脳出血の発症時に速やかに病院に搬送しなかったからだとして、女性の家族が、住宅を運営する桜十字(熊本市)に1700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が福岡高裁であった。佐藤明裁判長は請求を退けた一審判決を変更し、慰謝料100万円の支払いを命じた。24日付。

 判決によると、女性は2010年12月27日、病院に搬送されて脳出血と診断され、左半身まひなどの後遺症が残った。

 女性側は同25日夜に脳出血を発症していたとして、治療が必要な際の対応を定めた契約に基づく病院への搬送義務違反と主張。今年3月の一審・熊本地裁判決は、職員が記した「施設介護経過」などから、発症は26日から27日午前8時ごろと判断。女性側の請求を棄却した。

 高裁判決は「施設介護経過」の内容が、診断した医師のカルテと矛盾することなどから「信用しがたい」とし、診断結果を知った後に都合良く入力した改ざんの可能性を示唆。医師の証言などから25日夜には脳出血を発症したと判断し、「速やかに女性を搬送しなかったことは債務不履行に当たる」とした。搬送の遅れと後遺症との因果関係については退けた。

 桜十字の担当者は「因果関係を争う主張の大局は認められたが、介護経過の記録は故意に改ざんしたものではない」とコメント。上告を検討しているとした。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(小原智恵)