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 2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場の見直しで、横浜市が既存の「横浜アリーナ」の活用案について、競技団体の意向を重視することなどを記した文書を、東京都などに出していたことが30日、関係者への取材でわかった。競技団体は「有明アリーナ」(東京都江東区)の新設を強く希望している。12月下旬までの説得は難しいとみられ、「横浜」案は厳しい情勢だ。

 文書は「横浜市の考えについて」と題したA4判1枚で、11月25日付。都や大会組織委員会などに提出した。東京大会の成功に向けて「最大限協力する」としたうえで、「(横浜アリーナ周辺の)民有地を活用する際、所有者への交渉などは都や組織委で対応いただきたい」「国内外の競技団体や国際オリンピック委員会(IOC)の意向の一致が重要」などの配慮を求めている。

 バレー会場は、横浜活用案と有明新設案が検討されている。11月29日のIOC、都、組織委、政府のトップ級協議では、費用が安くすむ横浜案にこだわる東京都の小池百合子知事の意向で、結論が「クリスマスまで」先送りされた。

 競技団体の日本バレー協会と国際バレー連盟はこれまで、有明案採用を強く主張している。また、民有地所有者との交渉で費用負担が生じる場合、現行制度では都の税金を他自治体のインフラ整備などにあてることは原則できない。ほとんどの大会関係者は、約1カ月で横浜市の意向を満たすことは難しいとの見方を示している。

 29日の4者協議では、横浜市の文書は話題に上らなかったが、組織委の森喜朗会長が「『横浜は迷惑している』と聞いている」とし、小池氏に横浜市の合意を得られているかを問いただした。小池氏は「横浜市から『お決め頂いたらぜひやりたい』と聞いている」と答え、両者の見解が食い違っていた。

 一方、4者協議で新設が決まったボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」(東京都)について、都は仮設設備を使った案を採用した。「海の森」は当初都が491億円を投じて常設施設を整備予定だったが、一部を仮設にすることで工費を298億円に減額できる。都は30日、中断していた現地の工事を再開した。

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