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 10年以上放置された口座のお金を福祉に使う「休眠預金活用法」が2日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。これまでは金融機関の収入になっていた年数百億円。法整備を後押ししてきた市民らは「多くの人が助かる」と期待する一方、運用スタートまでの課題も残っている。

 就職や引っ越しを重ねるうちに口座のことを忘れてしまったり、預金者が家族に口座の存在を知らせずに亡くなったり……。金融機関で作られた口座のうち、最後の取引(お金の出し入れ)から「10年以上放置」された預金がこうした休眠預金の対象となる。

 いまは残高が「1万円未満」であれば金融機関の収入となる。「1万円以上」なら、金融機関から預金者への通知が届いたと判断されれば通常の預金として扱われる。通知が届かなかったと判断されれば、「1万円未満」と同様に金融機関の収入とされてきた。

 大手銀行や金融庁、法案をまとめた超党派の議員連盟によると、休眠預金の大半は残高1万円未満。一方で、合計すれば年に約1千億~1100億円発生。預金者から求められた払い戻し分を差し引いても、約500億~600億円が金融機関の収入となっていた。

 休眠預金活用法が施行されれば、現行の通知手続きを経たうえで休眠預金は預金保険機構に移される。そして、公益活動にたずさわるNPO法人や自治会といった団体を公募し、助成や貸し付け、出資される。

 具体的な使い方は有識者の審議会などで議論されるが、活用法は使われる先が大都市に偏らないようにすることや、複数年度にわたる活動にもあてられるような対応を要請。議連は①難病の子どもを抱える家族への支援②児童養護施設の退所者や障害者の自立支援――などを想定している。

 1年半以内に施行されるが、システム整備もあり、運用開始までに3年前後かかる見通し。いったん休眠預金とされても預金者からの払い戻し要求には応じることになっており、議連事務局長の山本朋広衆院議員(自民)は「何年たっても『預金は預金者のもの』であることに変わりはない」と話している。

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