ユネスコ(国連教育科学文化機関)は30日(日本時間1日)、「山・鉾(ほこ)・屋台行事」を無形文化遺産に登録すると決めた。エチオピア・アディスアベバで開かれたユネスコの政府間委員会(24カ国で構成)で採択された。

 登録が決まったのは、「角館祭りのやま行事」(秋田県仙北市)や「秩父祭の屋台行事と神楽」(埼玉県秩父市)、「高山祭の屋台行事」(岐阜県高山市)、「長浜曳山(ひきやま)祭の曳山行事」(滋賀県長浜市)、「博多祇園山笠行事」(福岡市)、「唐津くんちの曳山行事」(佐賀県唐津市)など東北から九州まで18府県の33行事。専門家やNGOでつくるユネスコの評価機関が事前審査し、10月末に登録を勧告していた。

 33行事は地域社会の安泰や災厄よけを願って、文化の粋を凝らした飾り付けが特徴の「山・鉾・屋台」を巡行させる祭礼(国重要無形民俗文化財)。

 無形文化遺産は、有形の文化財の保護・継承を目的とした世界遺産と異なり、芸能や祭り、社会的慣習、伝統工芸技術などが対象。これまでに世界で336件が登録され、日本からは歌舞伎や能楽、和紙、和食など22件が登録されている。

 「山・鉾・屋台行事」の関連では、すでに2009年に「京都祇園祭の山鉾行事」(京都市)と「日立風流物(ふりゅうもの)」(茨城県日立市)の2件が登録されていた。しかし、無形文化遺産の登録数が増えて同分野の文化財の単独登録が難しくなり、秩父祭や高山祭は以前、登録済みの2件と類似しているとして登録が見送られたことがある。そこで政府は、同分野の31件を加えて一つのグループにして登録を狙った。登録済みの2件は同じ一つのグループとして数えられるため、国内の無形文化遺産の登録数は21件になる。

 18年には、仮装した神が家々を訪れる八つの行事からなる「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」が審査される。(守真弓

■安倍首相「誇り持って国内外に発信」

 ユネスコの無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」が登録されることが決まったことを受け、安倍晋三首相は1日、「日本全国33の祭り、幾世代にもわたり地域で受け継いできた行事を、誇りを持って後世へと継承し、国内外に発信していきたい」とのコメントを出した。

■日本の無形文化遺産

2008年 能楽

      人形浄瑠璃文楽

      歌舞伎

09年   雅楽

      小千谷縮・越後上布(新潟)

      甑島(こしきじま)のトシドン(鹿児島)

      奥能登のあえのこと(石川)

      早池峰神楽(岩手)

      秋保(あきう)の田植踊(宮城)

      チャッキラコ(神奈川)

      大日堂舞楽(秋田)

      題目立(だいもくたて、奈良)

      アイヌ古式舞踊(北海道)

10年   組踊(沖縄)

      結城紬(茨城・栃木)

11年   壬生の花田植(広島)

      佐陀神能(島根)

12年   那智の田楽(和歌山)

13年   和食

14年   和紙(島根・石州半紙、岐阜・本美濃紙、埼玉・細川紙)

16年   山・鉾・屋台行事