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 イタリアで4日、上院の権限を大幅縮小する憲法改正案への賛否を問う国民投票があった。レンツィ首相は結果が「反対」ならば辞任する意向で、欧州の共通通貨ユーロからの離脱も主張する「五つ星運動」などポピュリズム(大衆迎合)的な野党を勢いづかせる可能性が高い。大勢は5日未明(日本時間5日朝)にも判明する見通しだ。

 改正案は、上下院のねじれが生じやすい今の仕組みを改め、上院の定数を315人から100人に削減、選挙を経ずに地方議会の代表らで上院を構成するなど実質的な「一院制」に近づける内容。政権を安定させ、政治コストの削減や迅速な法案審議を進める狙いがあるが、中央集権化が過度に進むと五つ星など野党は反対している。

 有権者の関心は、レンツィ氏の信任の是非に集まる。賛成に投票した年金生活者のリーチャ・パスキーナさん(74)は「改正に必ずしも賛成ではないが、改革を進めようとしているレンツィ氏を守りたい」と話す。反対に一票を投じたコンスタンティーナ・カエターノさん(46)は「レンツィ氏をはじめ、政治家は信用ならない」と語った。

 結果が「反対」でレンツィ氏が辞任しても、すぐに解散総選挙となる可能性は低い。マッタレッラ大統領は混乱を回避するため、レンツィ内閣の閣僚を首相とする選挙管理内閣を検討しているとされる。レンツィ氏が首相再指名される可能性もある。だが、2018年までに行われる次期総選挙で政権交代を狙う五つ星には追い風となり、市場がイタリアの不安定化への懸念を強めることは必至だ。(ローマ=山尾有紀恵、青田秀樹)