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 タイのワチラロンコン皇太子(64)が1日、プミポン前国王の後継として、新国王(チャクリ朝ラマ10世)に即位した。クーデター後の軍事独裁体制下にあるタイは、民政復帰や政治対立の解消など重要課題を抱える。新国王の果たす役割に国民は強い関心を寄せている。

 ワチラロンコン新国王はプミポン前国王の第2子で長男。タイの王位継承は1946年のプミポン国王即位以来で70年ぶりとなる。1日午後7時(日本時間同9時)すぎ、国会にあたる国民立法議会のポーンペット議長やプラユット暫定首相ら三権の長とプレム暫定摂政らがバンコクの宮殿で即位を要請。これに「前国王の遺志にこたえ、全てのタイ国民の利益のために受諾する」と答えて、即位手続きを完了した。

 前国王が10月13日に死去した後、追悼を優先して即位を遅らせていた。1日は、死去後50日目の宗教儀式があり、これを一つの区切りとして即位の時期と判断した模様だ。即位の公式な儀式である戴冠(たいかん)式は、前国王の喪が明ける来年10月以降の見通しだ。

 タイは激しい政治対立の解消を理由に、2014年5月のクーデターで軍部が全権を握った。民政復帰に向けた新憲法案が今年8月の国民投票で承認され、施行のための国王の署名(承認)を待つ状態にある。政府は来年2月初旬までに署名されれば、同年末までの総選挙が可能としている。(バンコク=大野良祐)