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 11月に衆院を通過していた部落差別解消推進法案が8日、参院法務委員会で自民、公明、民進などの賛成多数で可決された。9日にも参院本会議で可決され成立する見通し。「現在もなお部落差別が存在する」との認識を示し、「基本的人権を保障する憲法の理念にのっとり、部落差別は許されない。解消することが重要な課題」と規定。「部落差別」の言葉を初めて法案名に盛り込んだ。

 罰則のない理念法で、国や地方公共団体の責務として相談体制の充実や教育・啓発、実態調査を実施するよう明記している。

 部落問題をめぐっては、戦前の調査報告書「全国部落調査」の復刻出版が計画され、インターネット上で地名リストが掲示されたことなどから、部落解放同盟が対策のための立法を求め、自由同和会も容認。自民党の「差別問題に関する特命委員会」に「部落問題に関する小委員会」が設置されて3月から検討が進められ、法案は自民、公明、民進3党の共同提案で5月に衆院に提出されていた。

 共産党は反対した。部落問題をめぐる認識で部落解放同盟と対立する全国地域人権運動総連合は「部落問題解決の到達点を根底から壊し、部落差別を固定化する法案だ」として採決に抗議する談話を発表した。(編集委員・北野隆一