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 慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が、「自著の内容を『捏造(ねつぞう)』と言われ、名誉を傷つけられた」として、日本維新の会所属だった桜内文城(ふみき)・元衆院議員に1200万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は15日、吉見氏の敗訴とした一審・東京地裁判決を支持し、吉見氏の控訴を棄却する判決を言い渡した。小林昭彦裁判長は桜内氏の発言について「『本は捏造だ』との発言をしたと認定するのは難しい」と述べた。吉見氏側は上告する方針。

 判決によると、2013年5月、日本維新の会共同代表だった橋下徹・前大阪市長が慰安婦問題をめぐる発言に関して東京都内で開いた記者会見に、桜内氏は同席。司会者が慰安婦に関する吉見氏の著書を紹介した際、「これはすでに捏造であるということが明らかとされております」と発言した。

 この発言について判決は「『日本軍が女性を性奴隷とした、との事実は捏造だ』という発言と理解することも十分考えられる」と指摘。「吉見氏の本は捏造だ」という意味の発言だったとする吉見氏側の主張を認めなかった。

 一審の東京地裁は今年1月、桜内氏の発言について「司会者の言葉に短くコメントしただけで、教授の社会的評価は低下させるが、論評に当たるため、賠償責任は負わない」として吉見氏の請求を棄却していた。(編集委員・北野隆一