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核心の中国 反腐敗:上

 中国共産党や軍の最高指導部経験者の摘発に踏みだし、政敵を震撼(しんかん)させる習近平総書記(国家主席)。毛沢東や鄧小平らに使われた「党中央の核心」の地位を得て、党の中で別格の存在になった。大幅な最高指導部人事が予想される来秋の党大会に向け、中国で今、何が起きているのか。

 かつて毛沢東が専用列車で訪れた中国・河南省鄭州の「黄河迎賓館」。美しい庭園が広がる政府系施設に、100人近い寡黙な男たちが車列でやって来たのは6月のことだった。

 北京から来た男たちは約2カ月間、「2号楼」と呼ばれる建物に陣取った。高い塀で囲まれた敷地の、最も奥にある2階建ての洋館だ。

 その時の様子を知る関係者は、あの秘密めいた光景をよく覚えている。

 男たちは大理石の壁に洋画が飾られた2号楼で一日中資料を読み、しょっちゅう会議を開いた。決して資料を安易に持ち歩かない。「書類の管理には特に気を使っていたようだ」

 敷地内には、警備のため約50メートルおきに警官が立った。2号楼には専従の職員しか近づけない。男たちは食事も、外部の接触を避けるため、洋館1階の食堂で給仕のないビュッフェ形式が常だった。

 9月、男たちは去って行った。その2カ月後、鄭州の人たちは、彼らの仕事の結果を知ることになる。

 重大な規律違反の疑いで(省最高指導部の)呉天君を取り調べている――。11月11日、反腐敗キャンペーンを指揮する党中央規律検査委員会がそう発表した。男たちは、4年前に就任した習近平(シーチンピン)総書記が腐敗高官を取り締まるため、機能を強めた「中央巡視組」と呼ばれる特捜チームだった。

 反腐敗キャンペーンの最前線の内偵捜査を担い、「習近平の鋭い刀」と呼ばれるのが、中央巡視組だ。2013年5月以降、調査に入った中央省庁や地方政府、大手国有企業は計234に上る。

 その権限は絶大だ。「この案件は中央(北京)の高級幹部に波及する。余計なことはしないほうが身のためだ」。取材に応じた同検査委の元幹部は、地方幹部から脅迫めいた忠告を受けることがよくあるとも明かす。だが、巡視組はなお冷徹だ。彼らには汚職高官の摘発を大方針とする習氏の威光がある。

 鄭州市民は失脚した呉氏の後任…

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