【スライドショー】吉永小百合さんが原爆をめぐる詩「生ましめんかな」を朗読
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 俳優の吉永小百合さんと音楽家の坂本龍一さんらが19日、チャリティーコンサート「平和のために~詩と音楽と花と」(朝日新聞社主催)を大阪・フェスティバルホールで開き、約2500人の観客を魅了した。共演したアーティストは公演に際し、「核なき平和な世界」への思いを語った。

 吉永さんは公演を振り返り、「共演者や客席のみなさんの思いがひとつになった雰囲気を感じることができて、とてもうれしかったです」と語った。これからも読むべき詩を自分の目で見つけ、平和をつくるために伝えていきたいという。「小さな声ですが、表現者としてできることをし、自分なりの意見を言い続けたい」

 「吉永さんに頼まれて、断れる日本人はいませんよね」。5月のカナダでの朗読会にも出演した坂本さんは、朗読活動を長く続けてきた吉永さんについて「言いにくいことも勇気を出して発言しておられる。とてもリスペクトしています」。「文化の力で自由を守りたい」とも話し、今後も一緒に活動を続けたいとの思いを改めて示した。

 シンガー・ソングライターの大貫妙子さんは、1970年代からの音楽仲間である坂本さんのピアノ演奏に乗せて「この道」など5曲を歌った。「核兵器や原発はただちになくしてほしい」。吉永さんと同じステージを作るのは初めて。「俳優でありながらメッセージを発し続ける姿勢に、日本の女性の強さを感じます」

 日常の小さな暮らしの中の延長にこそ、平和があると信じている。「人と人とがつながりを持って、何が大切かを考え続ける。そして、少しだけ、周りに思いをはせることができれば」

 原爆詩の朗読に合わせてギターを奏でた村治佳織さん。高校生のころに出会った吉永さんと朗読活動を続け、「一人の人間として平和を意識するようになりました」。広島の厳島神社で演奏したこともあり、機会があれば、吉永さんと屋外や自然を舞台にして「次の世代の子どもたちに平和へのメッセージを伝えていきたい」と話す。

 華道家の辻雄貴さんは、能楽笛方家元の藤田六郎兵衛(ろくろびょうえ)さんの笛と、坂本さんのピアノの演奏に合わせて「献花パフォーマンス」を披露した。辻さんは、木の根を積み上げた造形物に白ツバキなどの枝を静かに差し込み、「再生や新しい未来といったものを表現した」。アウシュビッツでも演奏した藤田さんは「能は鎮魂や天下太平を祈る芸能。ステージに立ち、改めて、人はなぜ戦争を続けるのかと考えさせられました」と話す。

 詩人・永瀬清子が平和への祈りを込めた詩「降りつむ」の朗読で、カナダに続いて皇后・美智子さまによる英訳を読んだクララ・クマガイさん(27)は「父の祖国でのイベントに参加できて光栄でした」。

 東北ユースオーケストラの学生による弦楽四重奏をバックに、公演終盤に朗読されたのは、沖縄県の小学4年、安里有生(あさとゆうき)君(9)が小1の時に書いた詩「へいわってすてきだね」。「これからも、ずっとへいわがつづくように ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ」。会場で聴いた安里君は「演奏と一緒ですごかった」と喜んだ。父の光之(みつゆき)さん(41)は「平和を考えるきっかけになれば」と願った。

◆朝日新聞社主催のチャリティーコンサートに携わったみなさんは次の通り。

 【企画・制作】Kab Inc.、プロマックス、キョードー大阪

 【協力】第二楽章を語り継ぐ会、朝日放送、ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社

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 記事は大阪社会部の高木智子、宮崎園子、中野晃、核と人類取材センターの小森敦司、田井中雅人、田井良洋、写真は大阪映像報道部の高橋雄大、内田光が担当しました。