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 福岡市博多区の原三信(はらさんしん)病院に今月3日、タクシーが突っ込んで3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故で、衝突直前にアクセルを踏んだ履歴が運転操作の記録装置に残っていたことが福岡県警への取材でわかった。ブレーキの記録はなく、県警はペダルを踏み間違えた可能性が高まったとみている。

 装置はタクシーに搭載されたイベントデータレコーダー(EDR)。衝突直前の約5秒間、エンジンの回転数、アクセルやブレーキペダルの操作状況などが記録される。捜査関係者によると、これまでの解析で、ブレーキではなくアクセルが操作されていた記録が残っていたという。少なくとも病院の数十メートル手前から加速していたとみられる。

 県警によると、個人タクシー運転手の松岡龍生容疑者(64)=自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で送検=は逮捕後、一貫して「ブレーキを踏んだが止まらなかった」と話しているが、故障の有無などを記録する車載装置の解析でも異常は見つかっていない。

 タクシーは事故前、病院の約350メートル手前の公園脇でいったん停車。その後、病院方向へ走り出した。松岡容疑者は、その時点からブレーキが利かなかった、と説明している。現場にブレーキ痕はなく、ブレーキランプが点灯していなかったとの目撃情報が県警に寄せられているという。

 福岡地検は、当時の精神状態を調べるため松岡容疑者を鑑定留置している。(井上怜)