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 安倍晋三首相による「和解の力」と題した真珠湾での演説は、歴史認識にも触れたこれまでの演説とは違い、先の大戦への反省などには踏み込まなかった。首相には、自らの世代で「戦後を終える」ことへのこだわりがうかがえる。日米同盟を育んだ「寛容」と「和解」を前面に掲げることで、「未来志向」の姿勢を強調したかったようだ。

 首相は戦後70年の節目だった昨年4月、インドネシアのジャカルタであったアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の演説で、先の大戦への「深い反省」に言及。続いて、同月に行った米議会上下両院合同会議の演説でも「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ」などと語った。

 昨年8月に発表した戦後70年の安倍談話でも、戦後50年の村山談話などに盛り込まれた「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」といった文言を使ったが、今回の演説では、これまでに言及した歴史認識をめぐるキーワードはいずれも盛り込まなかった。

 一方、首相は演説で、真珠湾について「パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います」と訴えた。米大統領と共に慰霊に臨んだ真珠湾から発する自らのメッセージには、日米の「戦後」に区切りをつける狙いも込めたかったようだ。(ホノルル=小野甲太郎)

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