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 南スーダンへの武器禁輸を含む国連安全保障理事会の制裁強化決議案に日本が棄権したことをめぐり、交渉を担当した岡村善文・国連次席大使が朝日新聞の取材に応じた。決議案を主導した米国について「日本は南スーダンに自衛隊部隊を送って汗をかいているが、米国の関与は口先だけだ」と厳しく批判した。

 決議案は、南スーダンの民族対立が大量虐殺に発展することへの危機感から米国が主導。だが日本やロシア、中国など8カ国が棄権したことで廃案となった。米国は現地の国連平和維持活動(PKO)に部隊を派遣していない。

 岡村氏は「武器禁輸は実効性に問題があり、紛争を止める特効薬にはならない」と説明。「今必要なのは南スーダン政府が進める国家建設の支援だ」と強調した。決議案には政府高官の資産凍結も含まれているとして、「悪者を懲罰すれば正義が訪れるというカウボーイ的発想に過ぎる」と批判した。

 一方で、「日本は自衛隊部隊を通じて、南スーダン政府に協力してきた。制裁で関係が崩れることがあってはならない」と指摘し、棄権の判断の一因として自衛隊の存在を挙げた。「もし大虐殺が起きれば、日本は責任を問われる。そうした事態を防止することに努めないといけない」とも語った。(武田肇

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