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 刑が執行されないまま、今月27日に逮捕から50年を迎えた死刑囚がいる。福岡市で1966年に起きた「マルヨ無線強盗殺人事件」の尾田信夫死刑囚(70)。獄中で過ごした期間は、収容中の確定死刑囚128人で最も長い。朝日新聞が入手した手記の写しには、刑の執行に不安を抱きながら過ごす様子や、内職を通じて最新の情報に触れるささやかな楽しみもつづられていた。

 福岡市の電器店で66年12月に宿直の男性店員2人を殺傷したとして、70年に死刑が確定した。刑の確定からまもなく47回目の年越しを迎える。

 一般的に死刑囚が暮らすのは、刑場を備えた拘置所にある4畳前後のトイレつき個室。入浴や運動の時間を除いて個室に収容され、他の収容者との接触は原則ない。面会や手紙をやりとりする相手は原則として親族や弁護士らに限られ、刑の執行も当日朝に告げられる。

 尾田死刑囚の趣味は、獄中で教わったという俳句。執行がないとされる年末の心の安らぎをこう詠んでいる。

 「死刑囚ほっとす御用納めかな」

 収容されている福岡拘置所(福岡市早良区)では、自身の入所から昨年7月までに37人が処刑され、3人が病死した。自殺も1人。執行の朝、窓越しに別れの言葉を交わし、握手して見送った人もいれば、「静かに逝きたい」とあらかじめあいさつを断ってきた死刑囚もいたという。

 死刑囚は、個室で「自己契約作業」と呼ばれる内職をして、報酬を得ることができる。内職の報酬や親族から差し入れられたお金で、物品を購入したり新聞や本を読んだりすることも可能だ。

 尾田死刑囚は平日、民間業者と契約を交わして請け負った内職に5時間半程度、取り組む。作業は紙袋作りだ。

 「モーニング娘。やAKB48のコンサートがあると、その絵柄の材料が入荷することがあり、間接的にイベントに触れる楽しみがあります」。週2回は映画やバラエティー番組のDVDの視聴も許されている。

 古希を迎え、最近では衰えも感じているという。

 「足腰が弱くなり、神経痛に悩…

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