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 薬を使ってマウスの心的外傷後ストレス障害(PTSD)を改善することに、東北大のグループが成功した。脳内の炎症をやわらげることで効果が出た。同じしくみが人間にも効くかどうかを確かめるため、東日本大震災の被災者を対象にした臨床試験を計画しているという。

 ケージに入れられたマウスは通常、せわしなく動き回る。だが、特殊なケージ内で電気ショックを与えたマウスは、その後で同じケージに入れると「恐怖」がよみがえってすくんだ状態になり、活動量は半分ほどになる。30分が経つとケージに慣れてくるが、動きは恐怖感がないマウスの7割ほどにとどまる。

 富田博秋教授(精神医学)らは、恐怖感にとらわれたPTSD状態のマウスでは、記憶をつかさどる脳の「海馬」という部分で、炎症を起こす特殊なたんぱく質が増えていることに注目。炎症を抑える「ミノサイクリン」という薬を与えると、ほとんど元通りの動きができるようになった。

 ミノサイクリンは抗生物質として使われているが、めまいなどの副作用も知られている。そこで富田さんらは、同じ炎症を抑える効果がある健康補助食品を使った治療法を、被災者に試みる考えという。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(小宮山亮磨)