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 人口206万人の欧州の小国スロベニアで、第2次世界大戦直後の虐殺現場の発掘と遺体の収容が、昨秋から本格化している。ファシスト勢力やその協力者と見なされ、共産党を中心とするパルチザン勢力に殺された人は、数万人に上る。社会主義の旧ユーゴスラビア時代は語ることが許されず、民主化後も政府の対応は遅れた。犠牲者の尊厳回復や、歴史解釈の違いを超えた和解が期待されている。

 スロベニア中部ラシュコ村の山中にフダヤマ炭鉱がある。中腹の入り口から水平に延びた坑道をまっすぐ奥へ約320メートル。さらに左へ約200メートル進むと、足元に大人がやっと入れる穴があった。ほぼ垂直に掘られた立て坑への入り口だ。木製はしごを下ろして十数メートル下りると、その先は粘土状の土で塞がれていた。

 「上から遺体を落としてここまで積み重ね、あとから埋めたんだろう」

 現場管理を担う元炭鉱職員のイワン・ケンダさん(73)が言った。

 発掘は「秘密集団埋葬地に関する政府委員会」が昨年10月、7年ぶりに再開。2009年までに発掘した地点から、今回は2カ月でさらに4メートル掘り下げ、約600の遺体を収容した。

 坑の深さは45メートル。委員会は、残る約30メートルにまだ2千~3千の遺体が隠されているとみている。

 ユーゴスラビア王国の一部だったスロベニアは第2次大戦中、ドイツ、イタリアなど枢軸国に占領された。ドイツが降伏した1945年5月、共産党を中心とするパルチザン勢力が国を掌握。捕虜の民兵や、周辺国から来たファシスト勢力の兵士を、裁判も行わないまま、同年9月ごろまでに大量に「処刑」した。遺体は森や洞窟に埋められ、総数は数万~10万に及ぶとされる。

 一般市民の犠牲も多かった。委員会のヨジェ・デズマン委員長は「ファシストと無関係でも、『将来の共産党政権の敵』と見なされれば殺された」とする。

 91年に旧ユーゴから独立する…

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