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 「このドラマは、幸せと不幸せの振り幅がジェットコースターのように大きくて、喜んだかと思うと、奈落の底に突き落とされるんです」

 「就活家族~きっと、うまくいく~」(朝日系、木曜夜9時)で演じる富川水希は、周囲に信頼の厚い中学校の国語教師。長女(前田敦子)と長男(工藤阿須加)に恵まれ、夫・洋輔(三浦友和)は大手鉄鋼会社の人事部長で役員就任も視野に入り、順風満帆な生活を送っていた。

 それが一気に崩れ去り、家族全員が就職活動に追われる。台本を読んでプロデューサーに「これ、ラストは希望なんですよね?」と確認してしまったと明かす。

 だが、ストーリーは深刻さ一辺倒ではない。「実は、身近で起こっているかもしれない」事柄をユーモアも交えて描く。「家族のあり方とか、働くことの意味とか、ドラマをやりながら改めて勉強させてもらっています」

 昨年は、映画監督に初挑戦した作品「嫌な女」も公開。監督としての自分も含め、スタッフが役者一人一人にどれだけ愛情を注ぎ込んでいるか肌で感じる経験を得た。演じ手に戻って、周囲への感謝の気持ちがより増したという。

 どんな役を演じる時も、それは自分自身とは違う人物なのだと話す。「もし同じにしたら、私には黒木瞳という役しかできないことになる。この人はどんな人なんだろう、どんなテンポで話して、どこら辺から声を出す感じなのかと、撮影に入る前に考えるのがすごく楽しいんです」

 そうしてとことん追求した人物像だからこそ、見る者を強く引きつけるのだろう。(文・佐藤剛志、写真・岡田晃奈)