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 東京都中央区の築地市場の正門に、場内で拾われた「落とし物」の手書き掲示板がある。マグロのカマ、歩数計、財布、カツオブシ、オクラ、ゆでダコ、スマートフォン、ICレコーダー……。携行品以外にも水産物や青果物など築地市場ならではの品目が並んでいる。

 管理しているのは同市場正門巡視詰所(つめしょ)の都職員。拾得物が届けられると場内アナウンスし、主に金銭的な価値があると判断したものを記載する。2016年の拾得物総件数は662件。15年より約100件増加した。現金は計284万938円だった。

 都職員によると、昨年の拾得物で印象に残っているのは「マグロの目玉」「大漁旗」「伊勢エビ」で、マグロの目玉はポリ袋に八つ入ったまま届けられた。重さは全部で約2・5キロだったという。マグロ専門の仲卸によると、取引されている目玉は取扱量が多いメバチマグロがほとんどで、一つ200~300グラムだという。

 届けられた目玉は、アナウンスしてから約1時間後に落とし主が現れたため、掲示板には記載されなかった。

 昨秋、築地市場は江東区豊洲に移転する予定だった。豊洲市場では8カ所の詰所に開閉型の掲示板が設置されており、築地市場のような手書きの掲示板ではないという。掲示板の運用面の検討をしていた矢先に移転が延期になったという。(竹谷俊之)