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 11日午前1時20分すぎ、愛知県岡崎市のJR東海道線の岡崎―西岡崎駅間で線路脇の土砂が崩れ、同線は蒲郡―刈谷駅間を中心に午後4時前まで運転を見合わせた。JR東海が現場付近でしていた工事で、地下水の流出を防ぐ処置が不十分だったことが原因とみられ、同社は記者会見を開いて陳謝した。

 JR東海によると、東海道線がまたいでいる鹿乗(かのり)川の拡幅工事を愛知県から受注。線路下の地中を貫くように鋼管を87本挿入し、箱状のトンネルの外枠をつくり、トンネル内の土砂を取り除いて水路とする予定だった。

 しかし9日に、挿入途中の鋼管を通して土砂を含む地下水が流出し始めた。11日午前1時前に流出が激しくなり、大規模な陥没につながったという。陥没範囲は、長さ8メートル、幅7メートル、深さは最大で1メートルに及んだ。

 鋼管を挿していた線路下には、地下水の浸透を防ぐために薬剤を注入して固めていたが、想定より地中の水分が多く、十分に固まっていなかったという。約12メートル離れた鹿乗川からも地下を通った水が流れ込んだとみられ、JR東海は「川まで考慮した薬剤量ではなかった」と説明した。

 この事故で、未明に現場を通る予定だった寝台特急サンライズ瀬戸・出雲(東京―高松・出雲市間)は、下りが蒲郡駅(愛知県蒲郡市)で、上りが名古屋駅で運転を打ち切り。各150人の乗客は東海道新幹線に乗り換え、目的地に向かった。東海道線では部分運休も含め上下162本が運休、7万4千人に影響が出た。

 JR東海建設工事部の新美憲一次長は11日夕の記者会見で、「利用者や付近の住民にご迷惑をおかけした。早期の原因究明に努めたい」と述べ、陳謝した。(吉野慶祐、野口憲太)